2011年12月13日火曜日

日高義樹 アメリカの日本潰しが始まった

2010 株式会社徳間書店

1935年生まれ

アメリカは強大な軍事力と巨大な経済力を使って世界中を突っ走っている。日本に与える影響力も絶大である。
しかし、今のところ運転手は乗っていない。ただ、運転手の制服を着ているのが、オバマ大統領である。
オバマ大統領は、なぜ、当選したのか。
それは、民主党を動かしている大企業や巨大労働組合が、なんとしても政権を取ろうとして、共和党のブッシュ大統領にあきあきした国民にたいし毛色の変わった政治家をおしだして利用しようとしたからである。
オバマ大統領は、「チェンジ」という言葉を叫ぶだけで、何をどう変えようなどという思想も構想もない。
大統領の周りも、政策とは関わりのない、ただ政治的な野心にあふれている人物ばかりで、世界やアメリカのことを考えるより、自分たちの利害だけを考えている。
こういう人たちによって動かされているオバマ大統領は、景気を回復させることも、雇用をつくりだすこともできない。
大企業や大銀行につぎこんだ莫大な資金は、大企業の利益にはなったが、景気を良くしたり、雇用を作ったりするのではなく、中国の景気を良くしただけであった。
そもそも、アメリカはヨーロッパから逃げてきたり追い出された人々が作った国で、世界のリーダーになろうというつもりもなかった。
それが、メキシコから領土を奪い取り、その後、太平洋に進出して、ついには日本を押しつぶした。
ライバルのソビエトが崩壊すると、アメリカは世界の指導者となった。
アメリカは世界のリーダーとなったが、そのアメリカには、アメリカを動かす指導者は存在していない。
日本について言えば、日本人は日米安全保障条約があるから、アメリカは日本を守ってくれると思っているが、日米安全保障条約が締結された当時とは、状況が変わっている。
今や、日本は経済大国となり、アメリカを脅かすまでになっている。
アメリカが日本にたいする友好的な態度をかなぐり捨て、日本を敵とみなす政策を実行しないとは言い切れなくなっている。

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