2011年5月14日土曜日

安田佳生 採用の超プロが教えるできる人できない人

2003 株式会社サンマーク出版

1965年生まれ

発明王エジソンの言葉に、「1パーセントの才能と、99パーセントの努力」というものがある。
この言葉を、大部分の人は、「エジソンでさえも、99パーセントは努力によって成り立っていた。大事なのは努力だ」と考える。エジソンもそう言いたかったのかもしれない。しかし、人材採用コンサルタントの著者としては、どうしても「1パーセントの才能」のほうに目が向いてしまう。と言うのは、どれほど努力しても、才能がなくて開花しなかった人が大部分だからである。つまり、成功するには「人一倍の努力」と「少しの才能」の両方が必要不可欠なのである。
才能がなくては、努力も無駄になるだけで、せめて、1パーセントぐらいの才能がなければ発明はできない。残念なことに、現実には、この両方を兼ね備えている人材は、数百人に一人ぐらいである。
だから、企業がほんとうに優秀な人材を採用するのは非常に難しい。採用しても、育てるのはさらに難しい。

そこへいくと、大企業では、一度に数百人も採用して競争させるので、さぞかし優秀な人材が残りそうなものである。

いっぽう、本書では、ダーウィンの話も紹介されている。生き残るのは「強い種」ではない。「優秀な種」でもない。「変化した種」だけが生き残ったのである。
それでは、企業で生き残ったのは、なによりも変わり身が早く、適応力があった人で、かならずしも才能があって優秀な人ではなかったのだろうか。

いまや、日本人のレベルは、世界をリードできるほど優秀ではなく、世界には日本より勤勉で優秀な人材はたくさんいる。
かっての「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われた日本はどこへいってしまったのか。
人材の育成に問題があったことも、ひとつの要因ではないだろうか。

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