2011年1月24日月曜日

鈴木雅光 「デフレ」がわかると経済の動きが読めてくる!

2010 株式会社すばる舎

1967年生まれ

世の中、デフレ、デフレの大合唱で、消費者物価指数は、対前年同月比でマイナスが続いている。物価が継続的に下がっていく状態をデフレといい、1990年代にバブル経済が崩壊してから続いている。
バブル経済では、土地や株などの資産価格が異常に高騰した。
しかし、ひとたび崩壊すると、その影響は、金融機関における不良債権問題、不動産業者の倒産などを引き起こし、過剰な設備投資をしていた一般企業の資産も劣化した。大手金融機関が破綻し、日本経済は悪化の道をたどっていった。
日本銀行は、何度も金融緩和政策を実施したが、景気はなかなか回復しなかった。
そのうえ、経済のグローバル化によって、海外から安い製品が日本国内に流入して、輸入デフレが進んだ。
今後、少子高齢社会になっていくので、国内の需要は延びず、景気が低迷しているので、デフレはまだ続きそうである。

ただ、デフレ経済がいつまでも続くとは言えず、インフレの陰が忍び寄っている。
政府は、デフレ脱却を政策目標にかかげ、消費税の増税が議論されている。消費税が増税されれば、もちろん、物価が上昇する。
これから新興国経済が発展していけば、資源・エネルギーや食料の価格に上昇圧力がかかり、これらを輸入に頼っている日本の物価も押し上げられる。
また、日本の巨額の財政赤字が問題視されると、円が売られ、輸入物価の円建て価格を押し上げるかもしれない。
したがって、私たちは、現在のデフレに対応すると同時に、将来予想されるインフレリスクにも備えなければならない。

以上のように、本書では、述べられている。

現在、デフレであるが、将来、所得が増えないのにインフレになるかもしれないのでは、怖くてモノも買えないということである。
そうすると、ますますモノが売れなくなって、景気は悪くなるという悪循環に陥る。
何十億もの人口を抱える中国やインドの経済が発展すれば、彼らよりも先に先進国になった日本にとっては、彼らになくて、日本に有利なものを作って輸出するとかすれば、日本の景気も良くなりそうなものである。
そうしたことができず、暗い未来ばかりが描かれるのは、どうしたことだろうか。

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