2010年4月13日火曜日

小林辰男 青木慎一 環境問題入門

2006 日経文庫ベーシック

環境問題が新聞やテレビで報道され、あちこちで環境保護運動が展開されている。
人々の環境意識も、以前と比べて、はるかに高まっている。環境問題の複雑さは、誰もが被害者であると同時に加害者にもなりうること、日常生活の便利さの背後に環境の犠牲があることなど複雑な因果関係そのものである。

豊かで便利な社会は、大量のゴミを生んだ。
ゴミの多い使い捨て社会から循環型社会への転換が課題になっている。
限られた資源を徹底的に利用するため、3Rの考え方が注目されている。
3Rとは、リサイクル(recycle)、廃棄物の量を減らすリヂュース(reduce)、再利用するリユース(reuse)である。

資源循環型社会の構築のため、「循環型社会基本法」をはじめとして、いろいろな法律が定められている。そのうち「自動車リサイクル法」は2005年に制定され、消費者は車両購入時か、車検時、廃車時のいずれかでリサイクル費用を支払うことになった。自動車メーカーの責任で適正処理・リサイクルすることが義務づけられ、リサイクルが促進されるという。
ただ、年間の国内廃車のうち2割程度にあたる約100万台は、廃車後に海外へ輸出されているらしい。発展途上国などでは、まだまだ使えるのかもしれない。

私は、タダの廃車を中古車として輸出する商売は、かなり儲かるのではないかと憶測した。
それと同時に、見方によっては、「ゴミ」を輸出して、外国に環境問題を転嫁しているのではと心配になる。
自動車と言えば、ハイブリッド・カーや電気自動車などの「エコ・カー」が注目されているが、そればかりではない。

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