2009年12月9日水曜日

歳川隆雄 自民と民主がなくなる日

永田町2010年

2008.11 株式会社幻冬舎

1947年生まれ

2008年秋、アメリカから始まった世界的な金融危機に対処するため、麻生前首相は、「国内的な政局より国際的な役割を優先」し、衆議院の解散・総選挙よりも大型の追加経済対策を選んだ。いっぽう民主党は、「政権交代こそが最大の景気対策だ」として、
ひたすら早期解散を要求した。

その後、2009年夏に衆議院選挙が行われ、鳩山民主党を中心とする連立内閣が成立した。

著者は、2010年の参議院選挙が衆議院とのダブル選挙になるはずであり、そのとき、現在の自民党も民主党もなくなり、 永田町の景色は一変すると考えている。
現在の民主党は、旧社会党系の左派勢力から穏健保守派までの寄り合い所帯である。 そのうえ、2009年9月に成立した鳩山内閣は国民新党と社民党との連立内閣である。
そのためもあり、政権成立以来、国民からも、迷走しているように見えている。
いっぽうの自民党も、選挙で負けてから、これからどのような党を目指すのか具体的なビジョンを示すことができていない。
鳩山内閣が、行き詰まって解散総選挙ということになれば、著者が言うように、現在の民主党や自民党が分裂して、 ふたたび政界再編が起きそうである。

これまでの政界再編は、すべて小沢一郎を中心に動いてきた。
そこで、小沢一郎という人物であるが、「政策より選挙の小沢」と言われているらしい。
実現性の確かでないマニュフェストを掲げて政権を取ったものの、何を考えているのかわからない。
かっての田中角栄を超える権力者となった小沢という人物に不安を感じる人も少なくない。
この先、日本の政治の行く先を予想することは、きわめて難しい。

0 件のコメント:

コメントを投稿