2009年12月5日土曜日

瀧口範子 なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?

2008.7 株式会社プレジデント社

「ここは定住の地というより、チャンスの土地だ。世界中から腕試しにやってきて、負けたなら、さらに腕を磨いて出直してくる場所なのだ。そして、たとえ負けてもいつも次にかける希望がある。」(まえがきより)

かって、「知識はパワー」といわれていた。
中国やインドにアウトソーシングが進んで先進国に残されるのは知識産業のみといわれてきたが、先進国の傲慢なひとり合点にすぎなかった。
今や、BRICs諸国から知識がどんどんわきあがってきてもおかしくない時代になった。
インテルの投資額は2006年に、アメリカ国外向けが国内を超えた。 マイクロソフトは中国やインドに研究所をおいている。世界中のネットワークを利用しようとしているのである。
シリコンバレーのグローバル化は、いちだんと加速している。インド人や中国人だけではく、ヨーロッパ人も多く、住む場所というより、空港のようなイメージがある。
コンピューターの専門店は、今や消滅の危機にあり、残るのはウォルマートのような巨大なディスカウント店だけになるという予測がある。コンピューターはもはや特別なものではなくなった。
シリコンバレーの中心地パロアルト市では、ガラス、プラスチック、紙などの資源ゴミをすべて一緒に出すことになった。資源ゴミの回収率は分別を簡素化すればするほど高まる。市当局は、資源ゴミを自動分別する最先端の機械を導入したのである。
シリコンバレーでは、牧歌的な風景のなかで、すさまじい競争がおこなわれている。
いま、話題になっているのは、マイクロソフトのヤフーに対する買収攻勢である。
すぐれた頭脳の持ち主のプライドをくすぐりつつ、激しい競争とプレッシャーにさらして、かぎりなく利益を追求するのというのは、なにかウォールストリートのやり方と共通するものがある。
シリコンバレーは、テクノロジーが社会の枠組みを変えるかもしれない時代の最前線にあるらしい。

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