2009年10月17日土曜日

キース・デブリン/ゲーリー・ローデン 数学で犯罪を解決する

2008.4 ダイヤモンド社

山形浩生/守岡桜訳

「米国の警察F.B.I、CIAは最新の数学を駆使して犯罪を捜査している。『NUMB3RS:天才数学者の事件ファイル』は、そうした現実の動きをエンターテインメント化して、天才数学者の主人公が数々の難事件を数学の力で解決していく人気テレビドラマ。本書は、ドラマのエピソードを糸口にして、背後に流れるさまざまな数学概念を文系にもわかるように解説した一冊。」(背表紙より)

天才数学者が数学を縦横に活用することで、兄のFBI捜査官を助けて数々の事件を解決するというアメリカのテレビドラマがあるらしい。
統計とか確率をはじめとしてさまざまな数学が実際に利用されているという。
ドラマでは主人公があざやかに事件を解決してみせるのだが、実際に活用されている現場では、まず正確なデータを集めるという地道な作業にきわめて多くの時間がかかる。科学捜査に数学が使われるのはおもに犯人を絞り込むときである。

「地理的プロファイリング」は、ある町で同一の犯罪が多数発生している場合に犯罪者が居そうな場所を絞り込む技法である。
「統計分析」「データマイニング」では、大量情報からパターンを抽出する。
「画像エンハンス」では、人間には識別できないような画像を分析してより正確な像を再現する。
「社会ネットワーク分析」は、テロ対策に応用されるがその一部はトップクラスの機密事項である。
その他、「ニュートラルネット」「ゲーム理論」「オペレーションズ・リサーチ」「暗号」などの数学が使われているという。
今では、パソコンを使うことによって簡単に数学や統計を犯罪捜査に利用できるようになったということであるが、それがアメリカの人気テレビドラマになっているというのは興味深い。

0 件のコメント:

コメントを投稿