2009年9月6日日曜日

草下シンヤ 裏のハローワーク -交渉・実践編-

2005 株式会社 彩図社

1978年生まれ

「はじめに」より
「裏社会は生き馬の目を抜く戦場である。
一瞬の判断ミスや煮え切らない態度が命取りにつながる。逮捕されるならまだしも、恨みを買い、後ろからブスリとやられることもありえない話ではない。
そこで土壇場での機転、前もって危険を回避する知恵、交渉で相手を丸め込む技術などが必要不可欠になってくる。
・・・
特にヤクザ、事件屋、詐欺師、ヤミ金業者などは、交渉こそが生活の糧になっているのだから、その手腕は並大抵ではない。
思い通りに事を進めるためにはどうすればいいかということを誰よりも熟知し、実践しているのが彼らでもある」

著者は裏社会で取材して、表のビジネスの場でも活用できる手法を紹介している。
交渉のやり方は表も裏も同じというわけである。

裏社会でなくとも、同じような経験をすることは多い。
「物干し売り手法」では、「竹屋!、竿竹~、2本で1000円」と宣伝して、行ってみると売り切れたと言って、数倍の値段の物干竿を売りつけようとする。
「募金詐欺」では、「被災地支援のため署名活動を行っています」と言って、署名くらいならという軽い気持ちでサインすると、募金をお願いされる。もっともこの場合、すべてが詐欺というわけではないが。
何度も電話や訪問を受けて、つい気を許して一度でも会ったりすると、あとはズルズルと引き込まれてしまう。これを「フット・イン・ザ・ドア」テクニックという。訪問販売の営業マンが「お話だけでも」と言いながら、足をドアの隙間に差し込み、締め出せないようにしてから営業トークを展開するところからついた名称である。
あるいは、さんざん説明され、こころが空白となって抵抗力が無くなったところで、即決を迫られたりする。あんなに説明してくれたのに悪いと、お客の方で勝手に思いこんでしまうのである。

歳を取って経験を重ねれば、詐欺などには引っ掛からないように考えがちであるが、振り込め詐欺などが、いっこうに無くならない。
老人は一般的にこころの抵抗力が弱くなっているから、不安に付け込まれて、容易にパニックに陥れられ、判断力を失ってしまうのかもしれない。冷静に判断すれば、しないような事をさせられてしまうのが怖い。

今は、インターネット上でも、さまざまな犯罪が横行している。
フィッシング詐欺、ワンクリック詐欺、架空請求詐欺、ネット・オークション詐欺とかいろいろあるらしい。
普通の人でも、心が疲れて隙ができている時にインターネットを見まくっていると、ひっかかってしまうことがある。多数にあたれば、わずかな確率ではあっても詐欺の被害者がでてくることになる。

暴力団の勝負でも、最終的には丸く収めるよう努力するという。
相手に「華を持たせれば、双方が笑う」のだという。
それなりのマナーがあるのである。

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