2009年8月18日火曜日

スザンナ・ジョーンズ 睡蓮が散るとき

2003 阿尾正子訳 株式会社早川書房

著者は1967年イギリス生まれ 
名古屋の高校、千葉の中学と高校で英語の教師を務めた経験がある。

本書は心理サスペンスで、二人の登場人物が上海行きのフェリーで出逢うとき、恐ろしい結末が待っている。
一人は中高一貫の私立校で英語を教えている女性教師、もう一人はイギリス人男性で理想の結婚相手を探すため日本を訪れている。
女性教師は、現代の日本女性らしく、道徳や倫理感に縛られない行動からスキャンダルを起こし日本を逃れようとする。一方のイギリス人男性は、東洋の女性は、やさしく従順だというふれこみのパンフレットを見て日本に来ていたが、理想の相手は見つからず、こんどはインターネットで知り合った中国人女性に会おうとする。
孤独な若い女性、東洋人女性にあこがれているイギリス人、この二人の心理と行動はかなり自然に描かれているので、いつのまにか読み進んでしまう。
3回と計5年間にわたる日本での経験によって著者の才能が目覚めたのであろう。

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