2009年6月10日水曜日

黒木哲徳 なっとくする数学記号

2001 株式会社講談社

数学の本である。数学嫌いにも数学の記号はなぜあのようなのか分かれば親しみも増すかもしれない。今、学校で教えている数学は、だいたい300年位前の時代にできたものが多いようだ。決して最新の学問ではないのである。いまも進歩を続けているのではあるが。したがって、数学にも、その記号にも歴史がある。その一部をあげると・・・

∞はイギリスのウォリスが考えたもので、彼の著書「無限の算術」(1656年)で初めて使われた記号だという。

cent(100)がctoと縮めて書かれ、tが単なる棒になり、%の記号が生まれたようである。

√:この記号は根(radix)のrから来たというのがオイラーの説である。現在のように上の棒を長くしたのはデカルトである。

πは円周率の記号である。ギリシャ語の円周を意味するペリフェリスの頭文字から来ている。ちなみに半径を意味するr(radius)はラテン語で光線の意味である。

対数の記号は、1624年にケプラーがLogを使い、その後オイラーが常用対数にlogを使い、それ以外の底の対数にlを使った。また、この対数(logarithm)という用語はネイピアが考えたもので、ギリシャ語のロゴス (関係)とアリトモス(数)を組み合わせたものだという。

eという記号はオイラー(Euler)が1736年に導入したものである。

幾何学には、三角形の内角の和が常に180度より小さい幾何学も大きい幾何学も存在する。このことから分かることは、数学は絶対的真理というわけではなく、ある公準や公理のもとで導き出された真理にすぎないということである。

数学の発見と成果は何世紀にもわたって発展していく。

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